「もしもし・・」
「はい、間宮です・・」
わたしは間宮という名前でH氏に伝えるように頼んでおいた。
「Hさんから伺ったのですが、こちらに入会希望ですとか？」
「はい、そうです、お電話ありがとうございます・・ぜひお願い致します」
「そうでうか、私マゾの穴代表の須田紗里奈です」
「紗里奈様。よろしくお願い致します」
「どうやら最低限のマナーは心得ているようね？一度会ってあげても良いわよ」
「ありがとうございます紗里奈様、ぜひお願い致します。」
「あなた、真性マゾヒストよね？彼からそう聞いているけど・・」
「はい、わたくしめは御女性様をご崇拝申し上げる真性マゾヒストです」
演技ではないのですが、とりあえず相手を信用させるために、できるだけ考えて話を進める。
「それじゃあ、そうね。来週の水曜日の夜8時に、今から言う所に出向きなさい！」
そう言って彼女はある有名ホテルの名前を伝えた。
「時間厳守、面接だと思って気を張って来なさい。うちの会はハードルがものすごく高いわよ」
「はい、お言葉ありがとうございます。誠心誠意頑張ります、よろしくお願い致します・・」
「じゃあ、ごきげんよう・・」
「はい、ありがとうございました」
もちろん相手が切るまで待つ・・やっぱり彼女もこちらを試して数秒間切らない、そしてふふと言う声と同時に通話が切れる。
その時、思った彼女は本物だ・・間違いなくS、それも相当の・・・
なんだか久しぶりにワクワクするような展開にわたしは心躍らせた。
すでに勝手に名前を使われた事より、このサークルの中身に多いに興味を抱いたのだった。
そして指定された水曜日、私は1時間前にはそのホテルのロビーに到着していた。
すると、ちょうど1時間前に着信が・・彼女の声。
「803号室、当然もう来てるわよね？」
私は女御主人様との待ち合わせは1時間前より待ち、決して女御主人様を待たせてはいけないという鉄則を実行していた。
案の定彼女は私をひっかけようとしたのだろう。
8時と言う約束は7時とされ、それが正当化されて、遅刻したと言われ貶められる。
「はい・・もう着いております。ただいまお伺いします・・」
なんというS女性様だろう・・本当に会うのが楽しみだ。
しかし、私はそのような心を抑えながら、面接に行く奴隷志願者を演じる。
部屋の前に来て、大きく息を吸う・・そしてノックする。
「はい」
「間宮です」
ドアが開く。中は豪華なスイートルーム。
そしてセミロングに黒系の洋服に黒系パンストとパンプス、まさにマゾ好みの服装。
しかも、とてつもなく美人。
「入りなさい！」
「はい・・失礼致します」
彼女は優雅にソファーに腰を下ろす。
わたしはすぐにその前に跪こうとした、その瞬間。
「パンイチ！」
「は。はい・・・」
私は隅っこの方ですぐさま靴、洋服を脱ぎ、パンツ1枚で彼女の足下に跪く。
「紗里奈様、本日はありがとうございます」
「それだけ？何しに来たのかしら？」
「はい、どうかわたくしめを紗理奈様がご主催されるサークルマゾの穴への入会をお認め下さいませ・・」
彼女の靴が私の頭を踏みつける。
「これは特別サービスよ。どうせ嬉しいんでしょう？」
「はい、お踏みつけ戴き、ありがとうございます」
同時に手の甲も踏みつけられる。
言っておくけど、うちのサークルでそんなみっともない土下座する奴なんていないわよ、腰は上がってるし手は前で揃えていないし」
「も、申し訳ございません紗里奈様」
土下座の仕方くらいは知っているがわざとスキを見せた。
「もちろん調教を受ければ、少しはまともになるだろうけど」
「今から説明してあげるから、十分考えてから決めなさい。ここで半分以上の人はあきらめて帰って行くのよ、そんな恥ずかしい事じゃないわ、それだけにサークルのメンバーは厳選されたマゾ達とも言えるし」
「はい・・」
「まず登録者、うちの会員の数を言うわ。女性会員、もちろん全てＳ女性361人、男性会員、サークル上では奴隷と呼ばれる真性マゾヒスト81名」
「361名・・・」
Ｓ女性の数に私は驚きを隠せない・・
「そうよ、そしてそのＳ女性様全てに、奴隷のプロフィールが公開されるの。これが一番目のハードル、お前がこのサークルに入りたいなら、生まれてから今までの完全なる履歴書、そして
顔写真、全身写真、身体的プロフィールを提出させて、それが全女性会員に晒されるの、どう？」
「全員に・・ですか・・」
「もちろん彼女達にも守秘義務を課しているから、他人にはばれないけど、近所だったり、同窓生だったり、同じ会社にいたりなんて事もあり得るかしらね」
「ここでほとんどのマゾはあきらめるの、お前はどう？」
「だ、大丈夫です・・・」
「そう、次回提出させた後、嘘がないか調べるからね」
「はい」
「2番目のハードルは調教よ、規定のレベルまで達しないと正式メンバーつまり奴隷にはなれないの。12のステップに合格しないとダメ、そしてこれには1回事にお金がかかるのよ、1回3万円、これはプロの方に依頼したりしてるから当然かかるお金、１２ステップだから、ストレート合格してもトータル３６万円かかるわね、でも審査は厳しいからもっとかかるでしょうね、どうする？」
「それには期限があるのでしょうか？」
「ないわ、何回でも受けられる、同じステップで１０回以上受けてる奴もいるのよ」
なんだか怪しい展開になってきた・・このときはそう思った。
すると彼女は私の目の前にタブレットを出して、動画を再生した。
そこに映っていたのは２０歳くらいの女性の足下でパンイチで土下座して挨拶をする４０代の男
何度も何度も土下座をするが、その都度、罵られて蹴り飛ばされたり、踏みつけられたりしてやり直しを命じられる。ついには鞭で打たれて、その中年男性は泣き出してしまうのだった
。
「これは１番目のステップ挨拶よ。挨拶だけで何時間もさせられる。そしてこの調教内容はこうして記録されて全女性メンバーに配信されるの。そしてそのステップの合否を決めるのはそれを見たＳ女性様達、つまり調教の時から３６１人の女性達にみっともない姿を晒すのよ、どうなの？本当のマゾなら疼くでしょう？」
確かにわたしは勃起させてしまった。
