私は必死に耐えていた。しかし意地悪く一点だけをとらえたヒールはなおも緩めらることはない。
「い。痛い・・・」とうとう声を出して顔を伏せてしまった。
「どうしたの?おなかでも痛いの?」彼女はすっと足をどけた。
「いえ、大丈夫です。」
「そう、もうすぐ着くからね」そう言って鋭い目で見つめた。私はうなだれていそいそと靴下を履き、靴を履いた。心の中で・・・また叱られる。どうしよう・・・などと考えていた。
車はいわゆるラブホテル街に止まり、私はバッグを持ち車のドアの前でズキンズキンと痛む足をかばいながら立った。みどり様はお金を運転手に渡し外に出て私にお釣りをもらうように命じた。お釣りをもらって振り返ると彼女はすでに歩き出していた。私は追いつこうと重いバッグを抱え早足で歩こうとしたが足が痛くてなかなか追いつけなかった。
数十メートル歩いたところのホテルに立ち止まりもせず入っていく彼女、必死に後をついていく・・。
中に入ると彼女は部屋場号のパネルを既に押していた。
「早く、カギもらってきなさい!」
「はい・・」やはり怒っている・・どうしよう・・・。受付の小さな窓からカギを受け取る。そして二人でエレベータホールへ向った。
「ねぇ、私怒ってるの、わかる?」
「は、はい申し訳ございません」
「言葉だけなの?奴隷見習いさん?」
まさかここで土下座を・・しかし彼女の目は真剣だ。覚悟を決めてその場に土下座した。
「申し訳ございませんでした。みどり様」
彼女は私の頭を思い切り踏みつけた。
「お前、なんで私を怒らせるの?二人の時には私の事をなんて呼ぶんだったかしら?」
「あ、女御主人様。申し訳ございませんでした。どうかお許し下さい」
彼女はなおも私の頭を踏みつける。
「お、お許し下さいー女御主人様。ど、どうか・・」
「なんで怒ってるかわかってるのかしら?」
「は、はい先ほど車の中で耐えられなかったからです・・・」
「そうね。でもそれだけじゃないわよ。お前はこの買い物の間、いくつも私を不快にさせたわ。その事わかってるの?」
「申し訳ございません・・・」
「頭をお上げ!」誰が来るかもしれないエレベーターホールでびくびくしながら頭を上げた。私は床に正座の状態で彼女を見上げた。
「いいこと、奴隷はいつでも女御主人様を楽しませるように考えて行動するのよ。自分の事を先に考えて行動するお前にはまだ奴隷の資格はないわ。見習いもクビにするわよ!」そう言って胸の辺りを蹴飛ばした。
私は無様にも後ろに倒れてしまい、持っていた鍵を床に落としてしまった。その時エレベーターの扉が開きカップルが出てきた。床に倒れている私を不思議そうに見ていたが、足を止めずに去って行った。彼女はエレベーターに乗りこんだ。
「早くしなさいよ!グズ!」
急いで鍵を拾い、バッグを持ってエレベーターに乗る。これから部屋で起こるであろうことは期待よりも不安が大きかった。
コメント
息を呑むってこのことでしょうか、畳み込むように、話が進んでいきますね。それにして、ご主人様は、すてきな方ですね。専制攻撃を一発食らったって感じです。このさき、確かに、不安一杯すっ。でも、見たいすっ!
2006/06/26 (Mon) 03:34 | M破門中 #- | URL | 編集
コメントありがとう
昨日、今日で全部,読破したぐらい
何気に、隠れファンだったので
リンクの誘いありがたいです。
喜んで
自由気ままのブログですが、また遊びに来てくださいね
まどか